\チェリーヒルズゴルフクラブ
日本女子オープン開催にむけてJGA戸張捷氏が
コース改造後のチェリーヒルズを視察
2025年、国内女子公式戦「日本女子オープン」の開催が決定しているチェリーヒルズゴルフクラブ。大会で使用するキングコース、クィーンコースは昨年から2期にわけてトーナメントにむけたコース改造を行い、メジャークオリティに進化した18ホールが今年9月にリニューアルオープンしました。
 2024年10月下旬には、大会を主催する日本ゴルフ協会から、大会ゼネラルプロデューサーを務める戸張捷氏が来場。18ホールを入念にコースチェックし、「改造前と比べてすべてのホールで戦略性と見た目の美しさが格段によくなった。これ以上、手直しするところがないほどで、この先どんなトーナメント開催にも耐えうるコース。自分もプライベートでプレーしたいくらい。大会のためにこれほどまで仕上げていただき感謝します。」と絶賛しました。
 特に大改造を終えたキング7番ロングホールでは、「このホールのようにティショットで距離と方向をしっかりと打ち分けていくホールは日本に少ない。設計家の意図を感じます。」と、早くも大会中のセッティングに思いを巡らせている様子でした。
大会まであと1年、ここからは、信和ゴルフグループが誇るコースメンテナンス技術を結集し、ナショナルオープンにふさわしい最高の舞台へと整えてまいります。



キングコース
Hole1/Par4/373Y

フェアウェイ右サイドのバンカーをフェアウェイに近づけ大小2つに分割、グリーン左手前のバンカーもフェアウェイ側に拡張されました。ティショットを右バンカー近くに置くと2打目でバンカー越えとならない角度でグリーンを狙えます。ティショットの置き場所で次打の難易度が大きく変わるホールになりました。

キングコース
Hole2/Par3/207Y

グリーンの両サイドにバンカーがありましたが、デザインバランスを考慮して右バンカーの形状が再造成されました。それにあわせてフェアウェイラインも変更されています。

キングコース
Hole3/Par5/519Y

左ドッグレッグを強調するためにフェアウェイ右サイドのバンカーを縦長に拡張し、その奥側にもうひとつバンカーが新設されました。グリーン左手前のバンカーは手前に拡張され、ロングヒッターに2打目でグリーンを狙うのか、安全にバンカー手前に刻むのか、明確な判断を要求します。

キングコース
Hole4/Par4/423Y
ティショットの落としどころにはバンカーは配置されていませんが、フェアウェイの中央、左右のどこにボールを置くかで、2打目でバンカー越えのショットになるのかならないのか、大きく難易度が変化するホールです。

キングコース
Hole5/Par4/462Y

フェアウェイ右サイドの従来の大きなバンカーはデザイン的観点から4つのバンカーに分割され、フェアウェイに近づけられました。グリーン右手前にあったバンカーは撤去し、代わりに左手前に大きなバンカーが新設されました。これにより、ティショットで右バンカーを避けフェアウェイ左サイドに置いた場合、2打目でグリーン左手前のバンカーが大きく効いてきます。

キングコース
Hole6/Par3/187Y
横長のグリーンはティに対して45度に配置され、狙う方向によって、距離が微妙に変化します。グリーン手前には深いバンカーが配置され、ティショットの際に、安全にいくのかピンをデッドに狙うのか明確なジャッジが必要となります。


キングコース
Hole7/Par5/500Y

ティショットでのショートカットを狙いやすくするために、フェアウェイ左サイドのマウンドを削り視界をよくし、曲がった先のフェアウェイをティから見えるようにしました。ただ、その手前には4つのバンカーが配置されています。以降もフェアウェイ両サイドに距離の異なるバンカーが配置され、ティショット、セカンドショットともに距離と方向をしっかり定めて攻める必要があります。

キングコース
Hole8/Par4/367Y

距離の短いパー4。ティショットで飛ばし過ぎると傾斜でグリーン手前のバンカーに入るため、飛距離のある選手ほど、正確なボールコントロールが必要となります。飛距離を稼いでショートアイアンで狙うのか、安全に距離をセーブして、セカンドをミドルアイアンで狙うのか、選手によって攻め方が分かれます。

キングコース
Hole9/Par4/385Y

グリーン左手前のバンカーをフェアウェイ側に拡張することでセカンドショットのプレッシャーを高め、トーナメント開催時に難しいピンポジションを設定することが可能となりました。

クィーンコース
Hole1/Par4/355Y

フェアウェイ右の3つのバンカー群は2つに減らし、形を再造成したうえでフェアウェイに近づけて配置しました。これによりフェアウェイがS字を描いてグリーンに繋がり美しく見えます。ギャラリーの歩経路拡幅の目的もあります。

クィーンコース
Hole2/Par3/180Y

グリーンと両サイドのバンカーの間にラフがあり戦略的に少し甘さがありました。そのためバンカーを再造成し、グリーンに近づけました。また、左サイドのバンカーをフェアウェイにそってティ側に広げることで見た目の一体感も演出します。

クィーンコース
Hole3/Par4/382Y

既存の3つのバンカーすべてにおいて形状を見直し、ティからしっかり砂面が見えるようにしました。また、トーナメント時のティショットの落ちる地点の先にバンカーを新設することで、ロングヒッターにもシビアなティショットを要求します。

クィーンコース
Hole4/Par4/429Y

フェアウェイ左サイドのバンカーを再造成し、フェアウェイに沿うように変更しました。グリーン手前右サイドのバンカーを埋めてアプローチエリアとし、左サイドに大きなバンカーを新設、これによりフェアウェイがS字を描く美しいホールへと変化しました。

クィーンコース
Hole5/Par5/573Y

フェアウェイ両サイドのバンカーを再造成し、フェアウェイに近づけました。また、グリーン手前のバンカーをひとつ埋めてアプローチエリアを拡張。さらに、左サイドにバンカーを造成することで、グリーン左にこぼれたボールが即OBになることを防ぎます。

クィーンコース
Hole6/Par4/340Y

4つのバンカーを新設し、まったく新しいホールに生まれ変わりました。特にグリーンの両サイド、手前にバンカーを配置したことで、難易度は格段に高まります。フェアウェイ左サイドの法面を大きく削り、フェアウェイの高さも下げ、ティからクリークを望めるようになりました。

クィーンコース
Hole7/Par4/397Y

フェアウェイ両サイドのバンカーを再造成してフェアウェイに近づけました。グリーン手前はハザードがなくトーナメント開催時の16番ホールとしては比較的やさしかったので、フェアウェイ中央にバンカーを新設し、バンカー越えのシビアなピンポジションを配置できるよう改造しました。

クィーンコース
Hole8/Par3/179Y

グリーンの左奥をカットしてアプローチエリアとします。そうすることで奥のバンカーが、ティから美しく見えるようになりました。ホールの見た目の締りを加えるために、グリーンの両サイドにバンカーを新設し、水、砂、グリーンの一体感を演出します。

クィーンコース
Hole9/Par5/544Y

緩やかな左曲りのフェアウェイの曲線をより美しく見せるために、グリーン手前右サイドにあった3つのバンカーのうち真ん中のバンカーを埋めてフェアウェイに変更、右端のバンカーは形状を一部変更しています。
戦略的には、グリーン手前左サイドにバンカーを新設することで、2打目をレイアップする時に、このバンカーを越えた位置にレイアップするのか、それともバンカー手前にレイアップするのか、プレーヤーに明確な判断を要求するホールとなりました。
見た目にも戦略的にもワンランク高まり、まさにチェリーヒルズを代表するにふさわしいホールとなります。
コースデザイナー
ロバート・トレント・ジョーンズJr.
ジョーンズJr氏は「ゴルフは野外でするチェスゲーム」と例える。設計者が仕掛けた甘い罠を探りながらラウンドすると、「戦略を立てて攻略する」というゴルフゲームの醍醐味を実感できる。コースが難しく感じるのは設計者の誘惑にかかっているから。攻略するにはグリーンからの逆算でハザードの配置されている意図を紐解き、その誘いに応じるかどうか冷静にジャッジできればおのずとスコアがついてくる。

設計哲学は「危険と報酬」。彼の基本設計哲学は「リスク&リワード(危険と報酬)」。つまり、ハザードの危険を克服すればスコア上の報酬が得られるというもの。すべてのホールに、リスクの高いベストルートと、安全なパーやボギールートが設定されており、どちらを選ぶかはプレーヤーの技量と考えに委ねられる。だからこそ、アマチュアにとってまわりやすくて飽きがこないコースでありながら、コースセッティングやティとピンポジションを組み合わせて難易度を大幅に高めることでメジャートーナメントも開催できる「二刀流」が実現できる。
ロバート・トレント・
ジョーンズJr.

ROBERT TRENT JONES,Jr.
ゴルフコースデザイナー

1939年~、アメリカ生。偉大な設計家の長男として生まれる。大学卒業後、父の元で設計を学び、その後、独立してカリフォルニアに事務所を構える。以来、世界各国に300以上のコースを造り、彼のコースで陽が沈むことはない、とまでいわれるほどの実績をもつ。2015年、世界4大メジャー「全米オープン」は彼の設計チェンバーズベイGCで開催された。大会史上初の生存する設計者がデザインしたコースでの開催となった。翌2016年の「全米女子オープン」も彼が設計したコードベールGCで開催。2年連続のメジャー開催は異例中の異例。

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